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[221] 「フードチェーン農業」構築へ

投稿者: 管理人 投稿日:2017年 7月28日(金)16時44分31秒 ntkmmt058065.kmmt.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

【「フードチェーン農業」構築へ】
~全肥商連が熊本で全国研修会~
≪成長産業化の道筋学ぶ≫
 (一社)全国肥料商連合会は先ごろ、熊本市内で2日間にわたって第53回の全国研修会を開いた。九州を中心に全国から約200人が参加した研修会では、マーケットイン型「フードチェーン農業」構築の必要性について研修したほか、熊本地震の被害を受けながらも確かな経営を展開している農業者のパネルディスカッションを通して未来型農業のあり方を検証。また、これまで悪玉と目されてきた「野菜の硝酸態窒素」が実は人間の健康に有効な生理作用をもたらすことを専門家に学び、国際水準認証GAPの普及と今後の展開についても農水省と団体の取り組み、各地の全肥商連支部による具体的な推進事例を確認するなど、多彩で内容の濃い研修活動となった。

≪宮城大学大泉名誉教授が講演≫
 全国研修会では冒頭、上杉登会長が開会あいさつに立ち、「NEXTアグリ"0"年――農業の復興は需要の創造から」と掲げた総合テーマの意義に言及。震災から1年が経過した開催地・熊本の復興を引き続き支援する意思を示すとともに、「今年は農業競争力強化元年でもあり、農業再興を復興の起爆剤として前進しようという気持ちを全面に出した研修プログラムを用意した」と説明し、有効な情報収集・意見交換の場として活用を呼び掛けた。
 最初のプログラムとして、宮城大学名誉教授の大泉一貫氏が「フードチェーン農業in九州」と題して記念講演。まず「2015年に138万戸あった農家数が25年には72万戸、30年には40万戸に減少し、稲作農家にいたっては15年の95万戸が25年に38万戸、30年には10.7万戸という時代が到来する」との予測データを紹介した。
 一方で販売額が5000万円以上の農家は増加し、その産出額シェアは15年で全体の41%だったが、30年には74%にまで急伸。「農家戸数では2割にすぎない1000万円以上の農家が産出額の9割を占めるようになる」と農業構造の急激な変化を指摘し、「担い手となるべき1000万円以上層の育成が急務」と強調した。
 また大泉教授は、「米価で農業所得の向上を担保しつつ零細な兼業農家を維持してきた"稲作農業偏重農政"が農業の縮小をもたらした」と厳しく指弾。農業競争力強化プログラムの推進を決定しながらも、手厚い補助金によって飼料用米への転換で生産調整を実質継続する稲作偏重農政を批判した上で、「保護農政から成長産業化を目指す農政への転換」を提唱し、その第1に収益性の高い農業を目指す「経営者」の育成を挙げた。
 オランダやデンマークなど「成熟先進国型農業のビジネスモデル」も取り上げ、その特徴を①農産加工品までとらえた付加価値提供型農業②顧客志向型・マーケットインの仕組み(プロダクトアウトからの転換)③他産業との融合・企業連携による生産性の高い技術革新型農業――と説明。日本農業が進むべき道筋と位置づけ、その根幹ともいうべき「フードチェーン農業」構築の必要性を強調した。
 フードチェーン農業について大泉教授は、大手コメ卸が媒介となって大規模稲作法人が外食・中食などの実需者と結び付き、多収穫米の計画生産・契約栽培を行っている事例などを引いて「水平分業」の展開を解説。コンビニチェーンや外食産業、食品加工メーカーの農業参入や6次産業化などによる「垂直統合」の事例も紹介した。

≪チェーンマネージャー必要≫
 またフードチェーン農業の構築に向けた課題として大泉教授は流通制度の改革、食品企業との連携強化、新たな生産技術の開発を挙げたほか、水平分業の管理者として農家の組織化や情報・物流の調整を行う「チェーンマネージャーの必要性」を強調。その類型を▽コメ卸なども含めた食品流通企業▽農業者などによる営農販売会社▽食品加工企業▽農業資材メーカー・流通業者――と示した。
 今後の方向については「フードチェーンを構築するチェーンマネージャーを増やし、流通改革と生産現場での技術革新に集中しつつ、農業経営者を育成していくべき」と語り、農業者を支える肥料商の積極的な対応を呼びかけた。

【マーケットイン稲作】
~パネルディスカッションで熊本の㈲内田農場社長指摘~
 ≪100%契約栽培≫
 「震災に負けず、立派な農業経営をしている農業者に聞く」と題して行われたパネルディスカッションでは、パネラーとして熊本県阿蘇市の農業生産法人・㈲内田農場の内田智也社長、同県上益城郡益城町の嶋村農園・嶋村兼次代表、横浜市の㈲ファーマーズ・田岡義康社長が参加。地域活性化に向けて農業支援を行う㈱ジェイアール東日本企画の牛島晃・地域連携担当部長が進行役を務め、大泉教授もアドバイザーとして加わった。
 60㌶の大規模稲作経営を行う内田農場の内田社長は、損壊によって生産を断念せざるを得ない圃場が出るなど甚大な震災被害を受けながらも、地域の協力を得て克服してきた経緯を振り返りつつ、経営の概況を説明した。「農業は製造業。必要とされるコメ、喜んでもらえるコメを作りたい」とのモットーから、業務用向けの多収穫米や酒造好適米なども含めて15品種を栽培。「ほぼ100%を契約栽培の受注生産とし、播種前に契約を終えている」。
 田植えを4月から7月まで行う作期分散を進めるため、「稼働率を重視している」という内田社長は乾田直播を導入。三井化学アグロのハイブリッドライス「みつひかり」をいち早く採用し、神明を通して牛丼の吉野家向けに出荷している。10~15年先を見越してICT技術、ドローンの活用などにも積極的だ。
 マーケットインの取り組みは6品種の酒米生産も同様で、酒造会社との契約栽培から連携が広がり、同社の名前を冠した日本酒の銘柄「うち田」も商品化されている。内田社長は、「今後も使い手の要望に応えるコメ作りに取り組み、価格変動とともに気象変動にも対応できるよう"引き出し"の多い農業経営を目指したい」と強調した。
 嶋村農園の嶋村代表は自宅の全壊という震災に見舞われながらも、いち早く復旧作業を開始。土壌分析や有機肥料の使用を徹底した独自のナス栽培について語った。豊富な青果仲卸の経験を生かしてパセリやパクチーの契約栽培を展開しているファーマーズの田岡社長は、6次産業化プランナーとしての立場から農産物のブランディング、流通とのマッチングの重要性を指摘した。

≪硝酸塩の有効性も研修≫
 研修会2日目は、徳島大学大学院の土屋浩一郎教授が「食餌性硝酸・亜硝酸塩の生理的役割について」講演。この中で、これまで悪玉と目されてきた野菜の硝酸態窒素には糖・脂質代謝改善、血管拡張・臓器保護作用など健康維持の効用があることを説明した。
 また(一社)食と農の健康研究所・渡辺和彦所長は、「肥料・ミネラルで健康社会――野菜の硝酸塩は人間の健康に必須」と題して総括。農水省の「優先的にリスク管理を行うべき有害化学物質のリスト」から「硝酸性窒素が外されたのに続いて、「農業技術の基本指針」29年度改訂版では「有害物質等のリスク管理措置から「野菜の硝酸塩対策」の全項目が削除されたことをあらためて報告し、農業・肥料分野の視点からその有用性を解説した。
 続いて「国際水準認証GAPの普及と促進について」農水省と日本GAP協会の講演、全肥商連支部代表とJGAP協議会によるパネルディスカッションが行われ、GAP推進に向けた情報と意見の交換に務めた。

http://www.zenpi9i.com/katsdo290706


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