NANA色の風~九州から(全肥商連九州掲示板)



カテゴリ:[ 連絡掲示板 ] キーワード: 農業 肥料 九州


新着順:1/210
記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》


[234] 提出レポートに対する評価コメント

投稿者: 管理人 投稿日:2018年 4月12日(木)09時00分39秒 ntkmmt068245.kmmt.nt.ngn.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済 > No.233[元記事へ]

 施肥技術講習会体験記(No.233[元記事へ])に書いたように、私が提出した受講後印象に残った講義についてのレポートに対する小川先生からのコメントが認定証に添えて送られてきていました。
 「施肥技術シニアマイスター」に認定していただいて嬉しかったのはもちろんですが、小川先生からコメントをいただいたこと、講習会で学んだことをその先生からさらに深めていただいたことは望外の喜びでした。

 以下に、私が戴いた先生からのコメントの全文を掲載させていただきます。

 第21回施肥技術講習会「実学コース」レポートに対するコメント
  小川 吉雄

 環境と農業に対する講義内容をここまで理解し、その対策まで踏み込んだレポートに感激し、講師冥利に尽きます。

 はじめに環境保全型農業というものが化学肥料や化学農薬を排除するような農業ではなく、物質循環を中心に据えた無駄のない、環境と調和した農業であることをご理解いただき感謝いたします。自然農法や有機農業は物質循環を中心とした農法ではありますが、なかなか産業としては成立しません。付加価値型の農業で一部の消費者には受け入れられると思いますが本当の意味での持続型農業とは言えません。肥料の利用は欠かせません。

 農業と環境の問題はご指摘のとおリグローバルな観点が必要になります。有機性廃棄物の我が国への蓄積は輸入食飼料により物質循環が破綻したことに起因します。その点、農産物輸出が進められておりますので、少しは輸出国へお返しできると思いますが、有機性廃棄物をいかに資源として利用するかが重要になります。農地はゴミ捨て場や廃棄物処理場ではありません。しっかりした資源管理のもと資材の特性を見極め、土壌診断に基づき、土づくりとして利用するのか肥料代替として利用するのか、はっきりした目的意識が必要です。そのためにはまず、資材の炭素率により30以上あれば土づくりに、10以下であれば肥料として利用という、有機物の分解特性による仕分けが必要です。

 また、地域輪作にも興味を示していただきました。農業における基本は土づくりと輪作体系の確立です。それには地域、集落の中で普及員や肥料商が農家間での交換耕作を差配して、環境保全型農業の基本である土を見せない、すなわち年間を通して必ず作物が植え付けられている状況を作り出すことです。しかし、これからは耕作放棄地や離農が増す中で法人化や規模拡大が進みます。大規模化した農業においては輪作体系の構築が前提となりますので、交換耕作というよりはそれぞれの耕地における作付体系が課題になると思います。環境保全型農業はただ化学肥料、農薬を減らすのではなく安全・安心を担保できる農産物生産とできるだけ環境に負荷を与えない農法の確立です。

 人新世、仮想水、窒素フットプリント等の用語は新しい農業を作り上げるための刺激になればと思い使っております。牛肉生産の仮想水の多さに驚きますが、窒素フットプリントも相当高い値になります。これから多くの人がタンパク源を肉からとるようになります。テキストに示したように、まず農地で飼料を作り、それを牛が食べて排せつ物を出すという二重の窒素負荷が生じることになります。農家にばかり負担を負わせるわけにはいきませんので、窒素フットプリントを示すことにより食に対する意識改革を通じて、消費者にも環境保全型農業への理解と協力を得る研究が始まっております。

 生産と環境はトレードオフの関係にあり、生産者や肥料商をはじめとしてその周辺に居られる方々には受け入れがたいのが現状です。しかし、農林業以外の産業においては公害をまき散らした時代から大きな転換を図り、環境対策を第一に考えた生産構造に生まれ変わりました。農業においては汚染源が明確でなく(面源といいます)、自然に左右される場面が多々ありますので、対策が他産業のように蓋をすれば止む(点源といいます)というものではありません。しかし、いつまでもそれに甘えているわけにはいきません。農業の基本である有機性廃棄物の再利用を循環網として地球規模に広げて、新たな物質や資源の投入を出来るだけ少なくしていく必要があります。

 生産者とのコミニュケーションツールとして農業と環境の問題を話題としながら、環境保全型農業の理解と協力が得られるようご努力願います。

 以上です。
 もし、私が提出したレポートをお読みになりたい方がいらっしゃるようでしたら、下記urlからご覧下さい。

http://image47.bannch.com/bbs/24094/img/0283790049.pdf


新着順:1/210
記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》


お知らせ · よくある質問(FAQ) · お問合せ窓口 · teacup.レンタル掲示板

© GMO Media, Inc.