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カテゴリ:[ 連絡掲示板 ] キーワード: 農業 肥料 九州


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[155] 食料・農業・農村基本計画(原案)9/20

投稿者: 管理人 投稿日:2015年 3月20日(金)11時55分36秒 ntkmmt066108.kmmt.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

(4)食料自給率の目標の示し方

 食料自給率は、現実の食料消費を分母とし、これに対応した現実の食料の国内生産を分子として計算され、国民の需要に対する国内の食料供給能力を示す指標となっている。

 この食料自給率の示し方については、重量ベースの品目別自給率と我が国の食料全体の自給の程度を供給熱量ベース及び生産額ベースで表す総合食料自給率がある。

 供給熱量ベースの総合食料自給率は、食料が生命と健康の維持に不可欠な最も基礎的な物資であるとの観点から、基礎的な栄養価であるエネルギー(カロリー)に着目して、国民に供給される熱量(総供給熱量)のうち国内生産による割合を示す指標である。

 生産額ベースの総合食料自給率は、経済的価値に着目して、国民に供給される食料の生産額(食料の国内消費仕向額)のうち国内生産による割合を示す指標である。これは、高度な生産管理により高品質な農産物等を生み出すという我が国農林水産業の強みを表すものであり、比較的低カロリーであるものの、国民の健康の維持増進の上で重要な役割を果たす野菜・果実や、相当割合が国内で生産されているにもかかわらず、飼料の多くを輸入に依存しているため、供給熱量ベースの自給率が低く算出されている畜産物等の生産活動がより適切に反映されるという特徴を有する。

 このように、2つの総合食料自給率はいずれも重要な指標であることから、食料自給率の目標については、供給熱量ベースと生産額ベースの総合食料自給率の目標をそれぞれ設定することとする。

 また、総供給熱量の約2割、食料の国内消費仕向額の約3割を占める畜産物の自給率は、飼料の自給の度合いに大きく影響を受けることから、総合食料自給率の目標と併せて飼料自給率の目標を設定することとする。

(5)食料消費及び農業生産の課題

 ① 食料消費に関する課題

 我が国の食料消費の場面においては、高齢化や人口減少、食の外部化・簡便化が進行する中で、国内市場において食品産業事業者等の積極的な取組を促すことにより国産農産物の消費拡大を図るとともに、拡大が見込まれる海外市場の需要を取り込むことが必要となっている。

 また、ライフスタイルの多様化により食生活が変化している中、「日本型食生活」の推進に向けて、個人の様々なライフスタイルを踏まえたきめ細かい対応が必要であり、その際には食品産業の現状も考慮することが重要である。食や農林水産業への理解増進に向けては、学校教育を始めとする様々な機会を活用した効果的な働きかけが課題となっている。食料資源の有効利用等の観点からは、食品産業事業者等と連携した食品ロスの削減を促進することが重要である。

 さらに、食品の品質や表示に係る消費者の関心が高まっていることから、食品の品質管理や消費者の信頼の向上に向けた食品産業事業者等の主体的な取組が求められている。また、消費者の選択に資する表示情報の充実や適切な表示の推進に向けて、現行では加工度の低い一部の品目のみを対象とする原料原産地表示の在り方について検討することが重要である。

 ② 農業生産に関する課題

 我が国の農業生産については、農地面積の減少や農業者の高齢化等が進行しており、生産能力の低下が懸念される状況にある。

 このため、国内農業の活性化に向けて、農地等の農業資源の面においては、優良農地の確保、荒廃農地の発生防止・解消等が必要となっている。

 また、人材面では、担い手の確保、農業者の高齢化への対応等が必要となっており、農業技術等の面では、新技術の開発・普及、国産農産物等の最大の仕向先である食品製造事業者等のニーズや需要構造等の変化に対応した生産・供給体制の構築等が重要である。

http://6249.teacup.com/zenpi_kumamoto/bbs/154




[154] 食料・農業・農村基本計画(原案)10/20

投稿者: 管理人 投稿日:2015年 3月20日(金)11時54分30秒 ntkmmt066108.kmmt.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

(6)食料自給率向上に向けて重点的に取り組むべき事項

 ① 食料消費

 食料消費については、消費者、食品産業事業者その他関係者が、農産物・食品に関する正確で十分な知識を得た上で、より積極的に国産農産物の消費拡大に取り組んでいくことが重要である。このため、以下に掲げる事項に取り組む。

  ア 国内外での国産農産物の需要拡大

 官民一体となった国産農産物の消費拡大の国民運動、国産農産物を求める食品産業事業者と生産現場との連携等を推進するとともに、日本食や日本の食文化に関する情報発信と併せ、農林水産物・食品の輸出を促進する。

  イ 食育の推進

 ごはんを中心に多様な副食等を組み合わせ、栄養バランスに優れた「日本型食生活」の実践を推進するため、消費者各層の特性に適した方策を検討し、実施するとともに、食品産業における情報提供等の取組を促進する。また、幅広い世代に対する農林漁業体験の機会の提供により、消費拡大の前提となる食や農林水産業への国民の理解を増進させる。

  ウ 食品に対する消費者の信頼の確保

 食品の品質管理、消費者対応等の取組について、食品の生産から加工・流通、消費に至るまでの各段階の関係者が連携し、情報共有を通じた取組の向上と標準化等を図る。また、加工食品の原料原産地表示について、実行可能性を確保しつつ拡大に向けて検討する。

 ② 農業生産

 農業生産については、農業者その他関係者が、国内生産による食料生産能力の維持向上を図りつつ、マーケットインの発想による多様かつ高度な消費者ニーズに対応した国内農業の生産を拡大することが重要である。このため、以下に掲げる事項に取り組む。

  ア 優良農地の確保と担い手への農地集積・集約化

 優良農地を確保するとともに、農業水利施設の適切な保全管理等による農業用水の持続的な活用を推進する。また、農地中間管理機構のフル稼働、地域の話合いにより作成する人・農地プランの活用、農地中間管理事業と基盤整備事業の連携等による担い手への農地集積・集約化と荒廃農地対策を推進する。

  イ 担い手の育成・確保

 農業経営の法人化や経営の多角化・複合化等を推進するとともに、農業の内外からの青年層の新規就農を促進する。

  ウ 農業の技術革新や食品産業事業者との連携等による生産・供給体制の構築等の実現

 生産コストの低減を図るための省力栽培技術・新品種の導入等や、次世代施設園芸拠点の整備等を推進するとともに、食品産業事業者との連携等を通じて、需要構造等の変化に対応した生産・供給体制の構築等を推進する。

(7)食料自給率の目標

 ① 食料消費の見通し及び生産努力目標

 今後の少子高齢化の進展に伴う摂取熱量の減少を踏まえ、(6)で掲げた重点事項への適切な取組等により、食料消費に関する課題が解決された場合の平成37年度における食料消費の見通しを主要品目ごとに示すこととする。

 また、(6)で掲げた重点事項への適切な取組等により、農業生産に関する課題が解決された場合に実現可能な国内の農業生産の水準として、平成37年度における生産努力目標を主要品目ごとに示すこととする。

 平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標は、第1表に整理したとおりである。

 なお、農地面積の見通し、これらの生産努力目標を前提とした場合に必要となる延べ作付面積及び耕地利用率は第2表のとおりである。

(第1表)平成37年度における食料消費の見通し及び生産努力目標
(第2表)農地面積の見通し、延べ作付面積及び耕地利用率

http://6249.teacup.com/zenpi_kumamoto/bbs/153



[153] 食料・農業・農村基本計画(原案)11/20

投稿者: 管理人 投稿日:2015年 3月20日(金)11時51分16秒 ntkmmt066108.kmmt.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

 ② 食料自給率の目標等

 第1表の食料消費の見通し及び生産努力目標を前提として、諸課題が解決された場合に実現可能な水準として示す食料自給率の目標等は、第3表のとおりとする。

(第3表)食料自給率の目標等

http://6249.teacup.com/zenpi_kumamoto/bbs/152



[152] 食料・農業・農村基本計画(原案)12/20

投稿者: 管理人 投稿日:2015年 3月20日(金)11時48分55秒 ntkmmt066108.kmmt.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

2.食料自給力

(1)食料自給力指標の考え方

 平成26年2月に公表された「食料の供給に関する特別世論調査」において、国内生産による食料供給能力の低下を危惧する回答が大部分を占める結果となったこと等を踏まえれば、国民に対して我が国農林水産業が有する食料の潜在生産能力(食料自給力)とその動向を併せて示すことにより、食料自給力についての国民の共通理解を醸成するとともに、食料安全保障に関する国民的議論を深化させていくことが必要である。

 他方、国民が現実に消費する食料が国内生産によってどの程度賄えているかを示す食料自給率については、
 ① 非食用作物(花き・花木等)が栽培されている農地が有する食料の潜在生産能力が反映されないこと
 ② 先進国に比べ経済力が低く、輸入余力が小さい国では、食料自給率が高くなる傾向にあること
 ③ 高齢化等による食生活の変化といった消費構造に影響を受けること
から、我が国農林水産業が有する食料の潜在生産能力を示す指標としては一定の限界がある。

 こうした中、国際的な食料需給に不安定要素が存在する中で、仮に輸入食料の大幅な減少といった不測の事態が発生した場合は、国内において最大限の食料供給を確保する必要がある。現実の食料消費を踏まえた供給熱量ベースの総合食料自給率は直近の平成25年度において39%であるが、我が国の農林水産業が有する潜在的な生産能力をフルに活用することとすれば、生命維持に必要な食料の生産を高めることが可能であることから、平素からその時点における我が国農林水産業が有する食料の潜在生産能力を評価しておくことが重要である。

 また、過去50年にわたり農地面積は減少傾向で推移するとともに、主要穀物(米、小麦、大豆)等の単収の伸びが近年鈍化しているなど、我が国農林水産業が有する食料の潜在生産能力の低下が懸念される状況にあることから、我が国農林水産業が有する食料の潜在生産能力について過去からの動向も併せて示すことにより、国内の潜在生産能力の状況について国民の正しい理解を得ていくことも重要である。

 このように、国内の潜在生産能力について、平素からその時点における能力を定量的に評価するとともに、過去からの動向を示すことにより、
 ① 食料自給率が近年横ばいで推移する中、国内の潜在生産能力が徐々に低下している実情にあること
 ② 現在の食生活を前提とした作付体系からより供給熱量等を重視した作付体系とすることにより、我が国が有する食料の潜在生産能力を発揮すれば、現状より高い食料供給量を得ることが可能であること
を明らかにすることで、国民の共通理解の醸成を図るとともに、食料安全保障に関する国民的議論を深化させていくことが必要である。

 このため、現実の食料消費を踏まえた食料自給率に加えて、我が国農林水産業が有する潜在生産能力をフル活用することにより得られる食料の供給熱量を示す指標として、食料自給力指標(その時点における我が国の食料の潜在生産能力を評価する指標)を試算することとする。

 今回新たに食料自給力指標を示し、我が国の食料自給力の現状や過去からの動向についての認識を共有することにより、豊かな食生活が維持できている中にあって日頃は深化が図られにくい我が国の食料安全保障に関する国民的議論を深め、その上で、国において、
 ① 生産者には農地等の農業資源や農業技術等のフル活用、
 ② 消費者には国産農林水産物の積極的な消費拡大や農山漁村の重要性に対する理解の促進、
 ③ 食品産業事業者には国産農林水産物の積極的な活用・販売や生産者と一体となった新たな取組の展開
等を働きかけることにより、食料の安定供給の確保に向けた取組を促すこととする。

(2)食料自給力指標の示し方

 食料自給力指標は、農地等を最大限活用することを前提に、生命と健康の維持に必要な食料の生産を複数のパターンに分けた上で、それぞれの熱量効率が最大化された場合の国内農林水産業生産による1人・1日当たり供給可能熱量により示すこととする。

 この食料自給力指標のパターンについては、現在の食生活との乖離の度合い等を勘案し、以下のとおりとする。
 ① 栄養バランスを一定程度考慮して、主要穀物(米、小麦、大豆)を中心に熱量効率を最大化して作付けする場合(パターンA)
 ② 主要穀物(米、小麦、大豆)を中心に熱量効率を最大化して作付けする場合(パターンB)
 ③ 栄養バランスを一定程度考慮して、いも類を中心に熱量効率を最大化して作付けする場合(パターンC)
 ④ いも類を中心に熱量効率を最大化して作付けする場合(パターンD)

 さらに、これらと併せて、食料消費に対応した現実の国内生産(国産熱量)を支えている基礎的構成要素を明らかにする観点から、関連指標として、農産物については、①「農地・農業用水等の農業資源」、②「農業技術」、③「農業就業者」を、水産物については、①「魚介類・海藻類の生産量」、②「漁業就業者数」を、それぞれ記載することとする。

 なお、食料自給力指標の試算に当たっては、食料自給力指標が現実とは切り離された潜在生産能力を示すものであることから、一定の前提を置かざるを得ないが、その前提については以下のとおりとする。
 ア 生産転換に要する期間は考慮しない。
 イ 農林水産業生産に必要な労働力は確保されている。
 ウ 肥料、農薬、化石燃料、種子、農業用水、農業機械等の生産要素(飼料は除く。)
  については、国内の農林水産業生産に十分な量が確保されているとともに、農業水利施設等の生産基盤が適切に保全管理・整備され、その機能が持続的に発揮されている。

 また、食料自給力指標については、その動向を定期的に検証する観点から、食料自給率の実績値と併せて、毎年、直近年度の値を公表する。

(3)食料自給力指標

 (2)で示した方法で試算した平成25年度における食料自給力指標は、図のとおりである。

(図)平成25年度における食料自給力指標

(関連指標)

http://6249.teacup.com/zenpi_kumamoto/bbs/151



[151] 食料・農業・農村基本計画(原案)13/20

投稿者: 管理人 投稿日:2015年 3月20日(金)11時43分58秒 ntkmmt066108.kmmt.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

第3 ≪食料、農業及び農村に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策≫

1.食料の安定供給の確保に関する施策

 食品の安全確保と、食品に対する消費者の信頼の確保に向けた取組を推進するとともに、国民の健全な食生活に資するよう、食育や「和食」の保護・継承等を推進する。

 食料の安定供給という重要な役割を担っている農業や食品産業が、消費者の多様なニーズへの的確な対応や国内外の新たな需要の取り込み等を通じて健全に発展するため、6次産業化、農林水産物・食品の輸出、食品産業の海外展開等の取組を促進する。

 食料の安定供給に係る様々なリスクに対応するため、総合的な食料安全保障を確立する。

(1)国際的な動向等に対応した食品の安全確保と消費者の信頼の確保

 食品の安全を確保するため、「後始末より未然防止」の考え方を基本に、科学的知見に基づき、国際的な枠組み(リスクアナリシス)による、リスク評価(食品中に含まれる危害要因の摂取による健康への悪影響を科学的に評価すること)、リスク管理(リスク低減のための政策や措置を検討し、必要に応じて実施すること)及びリスクコミュニケーション(リスクに関する関係者間の情報及び意見の交換)を行う。また、消費者の信頼を確保するため、食品表示情報の充実や適切な表示、食品産業事業者等による主体的な取組等を推進する。

 ① 科学の進展等を踏まえた食品の安全確保の取組の強化

 食品の安全性を向上させるため、科学の進展により新たに食品への含有が確認された有害化学物質・微生物を含め、含有実態調査や分析法等の研究を実施する。その結果、必要に応じて、当該有害化学物質等に係る生産・製造段階の安全性向上対策をまとめた低減指針等を作成し、現場に周知するとともに、これまで作成した低減指針等も含め、その効果を検証し、必要に応じて見直す。また、これらの取組により得た科学的知見やデータの提供等を通じ、我が国の実態を反映させつつ、食品安全に関する国際基準や規範の策定に貢献する。

 このような有害化学物質等のリスクの低減に着目した取組等を基礎として、生産、製造の段階等ごとに食品の安全確保を図るために必要な取組について、以下のとおり推進する。

 ア 生産段階における取組

 生産資材について、安全性の向上、適正使用の推進、迅速な供給といった観点から、科学的知見に基づくリスク管理を効果的かつ効率的に実施する。このため、肥料については、下水汚泥など国内未利用資源の肥料原料としての利用を拡大するため、肥料登録に必要な公定規格を速やかに設定するとともに、事業者による簡易で安価な分析法を活用した自主的な品質管理を促進する。飼料については、原料の調達先国等の多様化への対応として、有害化学物質等による汚染実態の把握や監視・指導を実施するとともに、より効果的かつ効率的に安全を確保するため、これまでハザード(危害要因)ごとに整理されていた工程管理のガイドラインを統合し、事業者におけるGMP(適正製造規範)やHACCP(食品製造等に関する危害要因を分析し、特に重要な工程を監視・記録するシステム)の導入を推進する。農薬については、より安全で有効な農薬を迅速に供給するため、農薬登録審査に当たって、国
際的に用いられている方法を導入して科学的な審査を充実させるとともに、国際的な共同評価への参加等により審査を迅速化する。動物用医薬品については、より安全で有効な動物用医薬品を迅速に供給するため、審査手続の見直しや審査資料の国際的な共通化を推進する。

 農業者や産地において、農業生産工程管理(GAP)の導入が進んでいるものの、取組の水準にばらつきが見られることから、農林水産省のガイドラインに則した一定水準以上のGAPの普及、拡大を推進する。

 イ 製造段階における取組

 食品製造事業者における衛生・品質管理のための取組については、特に中小規模層の事業者へのHACCP導入を進めるため、「食品の製造過程の管理の高度化に関する臨時措置法(HACCP支援法)」(平成10年法律第59号)に基づくHACCP導入のための施設や体制の整備等、必要な環境整備を推進する。また、HACCPの導入等を担う人材の育成や、消費者理解を促進するための取組等を推進する。

 ウ 危機管理等に関する取組

 食品に起因する事故、事件の発生や被害の拡大を防ぐため、食品産業事業者におけるコンプライアンス(法令及び社会規範遵守)の徹底や食品事故対応マニュアルの整備等を促す取組を継続する。また、平成26年6月に公表された「食品への意図的な毒物等の混入の未然防止等に関する検討会」報告書で整理された食品防御の考え方やその対策を広く周知し、食品産業事業者による業界をあげた取組を促進する。

 エ 輸入に関する取組

 輸入食品の安全を確保するため、輸出国政府との二国間協議や在外公館を通じた現地調査等の実施、情報等の入手のための関係府省の連携の推進、監視体制の強化等に取り組む。

 ② 食品表示情報の充実や適切な表示等を通じた食品に対する消費者の信頼の確保

 食品表示に関する規定を一元化した「食品表示法」(平成25年法律第70号)の下、関係府省の連携を強化して立入検査等の執行業務を実施するとともに、産地判別等への科学的な分析手法の活用等により、効果的かつ効率的な監視を実施し、食品表示の適正化を担保する。また、消費者が適切に食品を選択するための機会の確保や、消費者の需要に即した食品の生産の振興に資するよう、加工食品の原料原産地表示について、実行可能性を確保しつつ拡大に向けて検討する。

 「不当景品類及び不当表示防止法」(昭和37年法律第134号)に基づき、関係府省が連携した監視体制の下、外食メニュー等の適切な表示を推進する。このほか、平成17年7月に公表された外食事業者による「外食の原産地表示ガイドライン」の積極的な活用を促進する。

 引き続き米穀等のトレーサビリティ制度を適切に運用する。また、食品産業事業者等による、入荷品と出荷品の対応関係も含めて入出荷記録を作成し、保存する取組の拡大を推進する。

 消費者の信頼向上に向けた食品産業事業者等の主体的な取組を促すため、食品の品質管理、消費者対応等の取組について、食品の生産から加工・流通、消費に至るまでの各段階の関係者が連携し、情報共有を通じて取組の向上と標準化を図るとともに、取引先や消費者に対する積極的な情報提供を推進する。

(2)幅広い関係者による食育の推進と国産農産物の消費拡大、「和食」の保護・継承

 ① 食育の推進と国産農産物の消費拡大

 高齢化が進行する中で、生活習慣病の予防による健康寿命の延伸、健康な次世代の育成の観点から、健全な食生活を営めるよう、関係府省が、地方公共団体等と連携しつつ、食育を推進する。

 ごはんを中心に多様な副食等を組み合わせ、栄養バランスに優れた「日本型食生活」の実践を推進するため、内容やメリット等を分かりやすく周知する。また、年代、性別、就業や食生活の状況などに応じて消費者各層の多様なニーズや特性を分析、把握した上で類型化し、それぞれの類型に適した具体的な推進方策を検討し、実施する。さらに、健康で豊かな食生活を支える役割を担う食品産業において、「日本型食生活」の推進に資するメニューや商品に関する消費者への情報提供などの取組を促進する。

 こうした「日本型食生活」の実践に係る取組と併せて、学校教育を始めとする様々な機会を活用した、幅広い世代に対する農林漁業体験の機会の提供を一体的に推進し、食や農林水産業への国民の理解を増進する。

 こうした食育活動を通じて学んだことについて、家庭での共有を促進する。

 これらの施策を効果的かつ効率的に推進するため、食育を実践する農業者、食品産業事業者、教育関係者等の現場の声を把握し、積極的な活動を促すための仕組みを構築する。

 国産農産物の消費拡大に向けて、食育や「和食」の保護・継承、介護食品の開発など医療・福祉分野と食料・農業分野が連携する医福食農連携、農村の魅力と観光需要を結び付ける農観連携、国産花きなど品目別の需要拡大等を推進する取組と連携しつつ、官民一体となった国民運動を推進する。また、地域の農産物の学校給食への安定供給体制を構築するなど、関係府省が連携しつつ、地産地消を更に推進する。特に、米については、米飯学校給食の更なる拡大、簡便化や健康志向等の消費者ニーズに対応した新商品の開発等を推進する。

 ② 「和食」の保護と次世代への継承

 日本人の伝統的な食文化である「和食」が、ユネスコの無形文化遺産に登録(平成25年12月)されたことを踏まえ、「和食」の保護・継承を本格的に進める必要がある。このため、「和食」に関する国民の関心と理解が深まるよう、「和食」の栄養バランスの健康への寄与等に関する科学的解明とその普及、学校給食や家庭における「和食」の提供機会の拡大、「和食」の継承に向けた地域における食育活動、和室等を活用した和の文化の一体的な魅力発信などを推進する。また、「和食」の保護・継承に当たっては、ユネスコの登録に際し、保護・継承に責任を持つ唯一の民間団体として位置付けられた「一般社団法人和食文化国民会議」とも密接に連携し、産学官一体となって効果的に進める。

http://6249.teacup.com/zenpi_kumamoto/bbs/150




[150] 食料・農業・農村基本計画(原案)14/20

投稿者: 管理人 投稿日:2015年 3月20日(金)11時42分47秒 ntkmmt066108.kmmt.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

(3)生産・加工・流通過程を通じた新たな価値の創出による需要の開拓

 ① 6次産業化等の取組の質の向上と拡大に向けた戦略的推進

 農業者が明確な事業戦略の下で、食品産業事業者や他の農業者等とも緊密なコミュニケーションを図るなど積極的に連携しつつ、主体的に取り組む6次産業化や農商工連携を促進する。これにより、農産物や食品等の生産・加工・流通過程において価値をつなぎ、高めていくバリューチェーンの構築や、各段階におけるイノベーションを通じた新たな価値の創出を促進する。

 こうした取組を通じ、消費者のニーズ等を踏まえた機動的な経営判断等を行うことができる農業経営体の創出を推進する。

 農観連携やバイオマスの利活用、再生可能エネルギーの生産、医福食農連携など、地域の多様な資源を活用した6次産業化等を促進し、農村全体の活性化を推進する。

 このため、新商品開発や販路の開拓、必要な加工施設等の整備、事業の本格的な拡大といった取組の発展段階や取組主体に応じ、「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律(六次産業化・地産地消法)」(平成22年法律第67号)や農林漁業成長産業化ファンド等の支援施策の活用を推進する。

 6次産業化等を通じて新たな価値の創出に成功した取組について、成功の要因や今後の課題等を分析し、その結果を踏まえた現場の取組を促すとともに、農業者等によるこれらの施策の活用方法の明確化や施策の必要な見直しを行う。また、6次産業化等の取組をコーディネートする人材を育成するための取組を含め、農業者等を適時・的確にサポートする体制の充実等を図り、取組の更なる拡大、向上を推進する。

 6次産業化等を地域ぐるみで推進するため、農業者と地方公共団体、食品産業、金融機関、試験研究機関等により構成する地域における連携の場等の設置、活用や地域の戦略等の策定を促進する。

 このような取組に加えて、地域の農産物や食品のブランド化を図るため、地理的表示保護制度の活用等を促進する。

 ② 食品産業の競争力の強化

 食品産業は、消費者ニーズに対応した食品を安定的に供給するという役割を担うとともに、国内農業とも深く結び付いた地域の主要産業の一つとして地方創生に欠かせない存在となっている。このため、輸入食品との競争が激化する中で、高齢化の進展や人口減少、女性の社会進出等による市場環境の変化に的確に対応し、引き続き食品産業がその役割を十分に発揮していくことができるよう、中小規模の事業者も含め食品産業全体の競争力の強化に向けた取組を促進する。

 ア 新たな市場を創出するための環境づくり

 食品産業事業者が、食をめぐる様々な環境変化等を的確に捉え、リスクの伴う新たな分野への進出等に積極的にチャレンジする取組を後押しする。

 具体的には、今後市場の拡大が期待されている、介護食品や食を通じた健康管理を支援するサービスの分野について、医福食農連携による食品産業事業者等の参入を促す。このため、新しい介護食品(愛称:スマイルケア食)について、認知度向上に向けた取組や地域の農産物を活用しつつ、郷土料理も取り込んだ介護食品の開発等を推進する。また、食を通じた健康管理を支援するサービスについて、地域の農産物を活用した健康レシピメニュー、機能性食品等の開発及び普及とともに、食と健康に関わる様々なデータの収集、分析、活用等を推進する。

 食品に対する消費者の信頼の確保を図りつつ、市場の拡大に資する観点から、新たな消費者ニーズを踏まえたJAS 規格等を検討し、制度化を図る。

 イ 食品流通の効率化や高度化等

 食品流通の各段階における効率化や機能の高度化等を推進する。

 具体的には、生鮮食料品等の流通基盤である卸売市場が直面する様々な課題に的確に対応し、その機能の更なる高度化を図るため、各市場それぞれの立地条件や独自の強みを踏まえた経営戦略を確立し、産地や実需者との連携を通じた魅力ある生産物の集荷・販売を推進する。また、青果物等の輸出拠点として、卸売市場の活用を目指す新たな取組などを推進する。

 また、配送の共同化や取引の電子化等による、食品流通の各段階におけるコスト縮減や、多様な消費者や実需者のニーズに適切に対応した多元的な流通の展開等を推進する。

 さらに、農産物先物市場については、価格変動の影響を軽減するなど、農業者や食品産業事業者等の活動を支える重要な機能を有しており、こうした機能が引き続き発揮されるよう、多様な取引参加者の参入を促し、農業者や食品産業事業者等が安心して利用できる市場環境を整備する。

 ウ 生産性向上等の取組

 家族経営等の中小規模の事業者が多い食品産業における生産性向上や労働力確保等に向け、優良事例の共有化等を図る官民一体となった協議会の立ち上げや、ロボット技術の導入等の取組を推進する。また、地域の食品産業事業者が、そのニーズに応じた人材を確保するための教育機関等との連携を推進する。

 エ 環境問題等の社会的な課題への対応

 食品産業の持続的な発展に向け、環境問題への取組をはじめ社会的課題への対応のための取組を推進する。

 具体的には、食品産業事業者による温室効果ガスの排出削減等の取組を進めるとともに、食品ロスの削減に向け、食品の流通過程における納品期限等に関する商慣習の見直しの促進や、消費者への普及啓発等を行う国民運動の展開を図る。また、食品産業事業者と農業者等との連携により食品廃棄物を飼料や肥料として再生利用する取組を促進する。

 高齢化や人口減少等の影響により食料の入手が困難となっている消費者が存在する地域において、移動販売や宅配サービスの展開など、食品産業事業者等による地域の関係者等と連携した取組を推進する。

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[149] 食料・農業・農村基本計画(原案)15/20

投稿者: 管理人 投稿日:2015年 3月20日(金)11時41分28秒 ntkmmt066108.kmmt.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

(4)グローバルマーケットの戦略的な開拓

 今後成長が見込まれる世界の食関連市場の獲得に向けて、成長著しいアジア諸国のみならず、より購買力の高い人口を多く擁する欧米の大市場も重視しつつ、日本の農林水産物・食品の輸出や、食品産業のグローバル展開を促進する。また、知的財産を戦略的に創造・活用・保護する取組を促進する。

 ① 官民一体となった農林水産物・食品の輸出促進

 ア オールジャパンでの輸出促進体制の整備

 これまでの輸出促進の取組は、産地単位の取組にとどまり、特定の国や時期に輸出が集中するなどの課題が生じていたことから、オールジャパンの輸出促進の司令塔である輸出戦略実行委員会において、品目別や品目横断的な課題への対応方向を検討するとともに、主要品目別に設立された輸出団体による輸出拡大の取組を関係府省等が連携して推進する。

 具体的には、輸出戦略実行委員会において、品目別の輸出拡大に向けた取組の方向を示す輸出拡大方針を毎年作成し、検証を行うとともに、物流効率化などの品目横断的な課題に対する方策を検討する。また、品目別輸出団体が、国や日本貿易振興機構(JETRO)等の支援を受けつつ、当該品目のブランドの確立、産地間の連携、輸出先国の規制など業界共通の課題解決を図る取組などを推進する。

 JETROにおける輸出関連の情報収集・発信等の機能や相談窓口としての機能を強化するとともに、海外見本市への出展や国内外での商談会の開催、専門家の設置等に加え、新たな海外市場において販売促進等を行うための拠点の設置など、輸出に取り組む事業者等のサポート体制の充実について、関係府省が連携して推進する。

 イ 輸出阻害要因の解消等による輸出環境の整備

 輸出先国の規制等、輸出促進の阻害要因となっている課題を洗い出し、改善に向けた対応状況を明らかにした「輸出環境課題レポート(仮称)」を毎年作成して公表し、輸出環境課題の解決に向けた取組を優先順位を付けながら計画的に推進する。

 具体的には、輸出先となる国や事業者等から求められるHACCP、ハラール(イスラム教の教義に基づいて処理、加工された食品等)、GLOBALG.A.P.(欧州の流通小売の大手企業が策定した取引要件としてのGAP)等の認証取得を促進する。また、国際的な取引にも通用する、HACCP をベースとした食品安全管理に関する規格・認証の仕組みやGAP に関する規格・認証の仕組みの構築を推進する。

 東電福島第一原発事故後に放射性物質に係る輸入規制を行っている国・地域に対し、政府一体となって、規制の緩和や撤廃に向けた働きかけを継続する。

 輸出検疫については、卸売市場や産地における輸出検査の実施等により利便性の向上を図るとともに、輸出を目指す事業者等に対して諸外国の検疫条件に関する情報提供を行う。また、訪日旅行者に対する輸出可能品目についての情報提供等により、農産物・食品の持ち帰りを推進する。これらの国内における検疫環境の整備に加えて、検疫上の理由により輸出できない国や品目について、重点国や重点品目を中心に、国際基準に則して、科学的根拠に基づき、検疫協議を戦略的に実施する。

 こうした様々な課題への着実な対応と併せて、途上国等において、官民連携によるフードバリューチェーンの構築を図るため、平成26年6月に策定した「グローバル・フードバリューチェーン戦略」に基づき、我が国の食品産業の海外展開等を通じたコールドチェーン(低温流通体系)、流通販売網等の整備を推進する。また、関係府省が連携し、国内の輸出促進のためのインフラ(産地の施設、卸売市場、物流網、港など)について、今後の環境整備の在り方に関する検討を進め、必要な対
応を行う。

 ウ 輸出促進等に向けた日本食や日本の食文化の海外展開

 「和食」のユネスコ無形文化遺産登録を一つの契機として、日本食や日本の食文化を世界に展開する素地が整ってきている。このため、国内における「和食」の保護・継承を図りつつ、日本の農林水産物・食品の輸出促進に資するよう、平成27年のミラノ国際博覧会や平成32年のオリンピック・パラリンピック東京大会などを積極的に活用し、日本食や日本の食文化の海外展開を戦略的に推進する。

 このため、在外公館、マスメディア等を活用した日本食や日本の食文化の魅力の効果的な発信とブランド化、民間団体による資格付与制度の創設を始めとする日本食の海外普及に貢献する調理師等の育成、外食メニューの多言語化の推進等による訪日外国人の受入環境づくり等を推進する。その際、官民合同の協議会において、日本食や日本の食文化を効果的に海外に普及するための戦略を策定し、関係者が連携した取組を推進する。

 ② 食品産業のグローバル展開

 食品産業が持続的に発展していくためには、成長著しいアジアなど世界の食関連市場も取り込んでいくことにより、その事業基盤を拡大、強化していくことが重要な戦略の一つである。このため、日本食や日本の食文化の海外への普及を図る取組とも連携しつつ、食品産業の海外展開を促進するための環境整備を推進する。

 具体的には、「グローバル・フードバリューチェーン戦略」に基づき、二国間の政策対話や経済連携等を活用し、食品安全や動植物検疫関連の規格や基準、知的財産権保護等の規制や制度などのビジネス投資環境の整備を推進するとともに、官民連携によるフードバリューチェーンの構築を図る。あわせて、農産物や食品に関する国際規格や基準について、我が国の実態を適切に反映させるため、その規格や基準の策定に至る議論に積極的に参加する。

 主要国においてHACCPの義務化が進展する中、我が国の食品産業事業者の国際的な取引における競争力を確保し、消費者に対してより安全な食品を供給するため、事業者によるHACCPに基づく自主的な衛生管理等の普及を図るとともに、海外からその取組が評価される環境を整える必要がある。また、我が国の事業者にとって言語やコスト等の面でも取り組みやすい規格や認証の仕組みが求められている。このため、HACCPに関する研修の実施など我が国におけるHACCP 普及のための支援体制の充実を図るとともに、日本発の国際的に通用する、HACCPをベースとする食品安全管理に関する規格や認証の仕組みの構築と、その国際規格化に向けた取組について、官民が連携して推進する。あわせて、事業者における、HACCPなどの食品安全に関する知識を有する人材や国際的な基準の策定等の過程に参画できる人材の育成と、こうした規格や認証の仕組み等の海外への積極的な発信等を推進する。

 海外展開を目指す食品産業事業者について、事業検討段階から現地法人の立ち上げまで一貫してサポートする体制の充実を図る。加えて、海外進出の際に一定の知識と技術を有する現地人材を確保するため、アセアン各国の大学と連携し、食品加工・流通等に関する教育を行う取組を推進する。

 ③ 知的財産の戦略的な創造・活用・保護

 高品質な農産物・食品づくりとそのブランド化等により、生産・加工・流通過程を通じた新たな価値を創出していくため、国内外の市場において、戦略的に知的財産を生み出し(創造)、経済的価値につなげ(活用)、模倣品・海賊版から守る(保護)取組を推進する。

 この一環として、品質、社会的評価等の特性が産地と結び付いている産品について、その名称を保護する地理的表示保護制度の活用を促進するため、制度の認知度の向上を図るとともに、迅速かつ公平な登録審査を実施する。また、制度の信頼を確保するため、登録後の品質管理の徹底についての指導・監督、地理的表示の不正使用に対する適切な取締り等を実施する。さらに、登録された産品のブランド価値が輸出先国で認識されるための環境整備を図るため、地理的表示マークの活用、輸出先国での適切な保護に向けた枠組みづくりを推進する。

 我が国の農業や食品産業の分野において知的財産の利活用が進んでいない状況を踏まえ、戦略的知的財産活用マニュアルの普及啓発により、育成者権や商標権といった特性の異なる知的財産権を組み合わせる等、戦略的に知的財産を利活用する取組を促進する。

 一方、海外において我が国の農産物・食品の模倣品の流通などが増加、深刻化しており、このような知的財産の侵害に迅速かつ的確に対応するため、現地法人のネットワークを活用した監視や、海外展開企業の知的財産担当OB を配置した国別相談窓口の活用等を推進する。また、東アジア地域における品種保護制度の整備を進めるため、ASEAN +日中韓で構成される「東アジア植物品種保護フォーラム」を通じて、各国の政策決定者への働きかけ等を推進する。さらに、海外における知的財産保護の取組を強化するため、我が国が締結しているEPA の知的財産に係る規定を効果的に活用するとともに、必要に応じて改訂に係る交渉を行う。

 なお、このような知的財産に関する施策を効果的かつ効率的に推進する観点から、新たな農林水産省知的財産戦略を平成27年5月までに策定する。

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[148] 食料・農業・農村基本計画(原案)16/20

投稿者: 管理人 投稿日:2015年 3月20日(金)11時40分7秒 ntkmmt066108.kmmt.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

(5)様々なリスクに対応した総合的な食料安全保障の確立

 国民に対する食料の安定的な供給については、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせることにより確保することが必要である。また、凶作、輸入の途絶等の不測の事態が生じた場合にも、国民が最低限度必要とする食料の供給の確保を図る必要がある。

 他方、世界的な人口増加等による食料需要の増大、気候変動による生産減少など、我が国の食料の安定供給に影響を及ぼす可能性のある様々な要因(リスク)が顕在化しつつあり、中長期的な食料需給のひっ迫が懸念されている。また、自然災害や輸送障害などの一時的・短期的に発生するリスクも存在している。

 このため、不測の事態に備え、平素からこれらのリスクの影響等を分析、評価するとともに、不測の事態が生じた場合の具体的な対応手順の整備、関係者による共有を進める。また、リスクの分析、評価を踏まえた、食料の安定供給への影響を軽減するための対応策を検討し、実施する。こうした取組を通じて、総合的な食料安全保障の確立を図る。

 ① 食料供給に係るリスクの定期的な分析、評価等

 食料の安定供給に関する様々なリスクに対処するための恒常的な取組として、主要な農林水産物の供給に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、そのリスクごとの影響度合い、発生頻度、対応の必要性等について毎年度分析、評価を行い、その結果を公表する。その際、必要に応じて対象品目や分析、評価手法の見直しを行う。

 一方、国内における不作や輸入の大幅な減少など食料の安定供給に影響を及ぼす不測の事態が生じた場合には、「緊急事態食料安全保障指針」に基づき、備蓄の活用や代替輸入の確保、緊急増産等の対策を講じる。また、こうした対策を講じるに当たっては、国はもとより、地方公共団体、農業者、民間事業者、消費者等がそれぞれの立場で迅速かつ的確に対応する必要があることから、同指針に基づく具体的な対応手順について、関係者に幅広く周知するとともに、想定される事態ごとのシミュレーション等を実施し、対応手順の実効性の検証、必要に応じた見直しや更なる充実を行う。

 ② 海外や国内におけるリスクへの対応

 食料の安定供給に関するリスクの定期的な分析、評価の結果を踏まえ、平素から、食料供給への影響を軽減するための対応策を以下のとおり検討し、実施する。

 ア 国際的な食料需給の把握、分析

 世界の食料需給の動向を踏まえた事業者の的確な調達等に資するため、世界の穀物等の需給をめぐる現状や短期の見通し等について、幅広く情報を収集、分析し、定期的な情報発信を行う。また、将来の食料需給を見据え、的確にリスクに対応するため、各国の経済成長や政策の動向等を踏まえた中期的な食料需給予測を実施するとともに、新たな気候変動の影響評価等を踏まえた長期(2050年)の食料需給予測システムを構築する。

 イ 輸入穀物等の安定的な確保

 海外からの輸入に依存している穀物等の安定供給を確保するため、輸入相手国との良好な関係の維持・強化や関連情報の収集、船舶の大型化に対応した流通基盤の強化等を通じて輸入の安定化や多角化を図る。特に、食料の主要な輸入相手国とのEPA においては、平成27年1月に発効した日豪EPA で輸出禁止措置等を導入しないよう努める規定が設けられたように、輸出禁止・規制に関する規律強化を図るなど食料の安定供給の確保に資するよう交渉を進める。また、不測の事態に備え、小麦や飼料穀物の適正な備蓄水準を確保する。

 穀物等の輸入の安定化や多角化に加えて、「世界の食料安全保障」(すべての人が、常に、活動的で健康な生活を送るための食生活上の要求と嗜好に合致した、十分で、安全で、栄養のある食料を物理的、社会的、経済的に手に入れられること)への貢献を図る観点から、我が国からの海外農業投資を促進する。

 飼料穀物や肥料原料については、海外からの輸入への依存度を低減させるため、国産飼料の生産拡大、国内の未利用資源の活用に向けた技術開発、実証・実用化等をコストに配慮しつつ推進する。

 農作物の新品種開発に不可欠な遺伝資源を確保するため、遺伝資源の利用等に関する国際的な枠組みの構築への貢献、二国間の協力関係の強化等により、海外からの遺伝資源の円滑な取得を推進する。

 ウ 国際協力の新展開

 「世界の食料安全保障」と途上国の経済成長等に貢献するため、新たな途上国支援の仕組みとして官民連携によるフードバリューチェーンの構築を推進する。具体的には、二国間政策対話等を活用し、民間投資と連携した協力を行う。その際、現地の理解を得る等の観点から、平成26年10月に世界食料安全保障委員会(Committeeon World Food Security)で採択された「農業及びフードシステムにおける責任ある投資のための原則」に沿って進める。

 飢餓・貧困対策や、気候変動、越境性感染症等の地球規模課題に対応するため、途上国に対して農業生産や食品安全等に関する技術協力及び資金協力、食料援助等を実施する。また、アフリカを始めとする世界の栄養改善に向けて、官民が一体となって具体的な方策を検討し、実施する。

 東アジア地域における大規模災害等の緊急時に備えるため、アセアン+日中韓の緊急米備蓄の体制確立等を主導的に推進する。

 エ 動植物防疫措置の強化

 オリンピック・パラリンピック東京大会の開催等を控えて訪日外国人旅行者の増加が見込まれることを踏まえ、家畜の伝染性疾病や植物の病害虫の海外からの侵入防止のため、家畜・植物防疫官の増員や検疫探知犬の増頭などによる検査体制の強化等により、円滑で確実な水際対策を実施する。また、国際的な連携を強化し、アジア地域における防疫能力の向上を支援する。さらに、海外での疾病の発生情報等を収集、分析し、リスクに応じた適切な検疫措置を実施する。

 加えて、国内の家畜防疫体制の強化を図るため、畜産農場における飼養衛生管理基準の遵守徹底を進める。その上で、輸出環境の整備にもつながる農場HACCPの導入を促進するため、その効果の分析、周知を行う。また、疾病発生時の対応の在り方等を明記した防疫マニュアルを作成するとともに、ワクチンの円滑な供給を図るための体制を整備する。さらに、20~30歳代の獣医師の半数は女性であることを踏まえ、女性獣医師が生涯を通じて能力を発揮できる環境づくりなど産業動物獣医師の確保・育成等を推進する。

 国内における病害虫の発生予防及びまん延防止のため、病害虫の発生予察情報に基づく適期防除、植物の移動規制等の対策の強化を推進するとともに、防除技術の高度化等に取り組む。

 オ 食品流通における不測時への備えの強化

 東日本大震災の経験を踏まえ、不測時においても食料のサプライチェーンの機能を維持し、被災地への応急食料の供給や全国的な食料供給の確保を図る。このため、食品産業事業者の事業継続計画(BCP)策定や、事業者、地方公共団体等の連携・協力体制の構築を促進するとともに、流通拠点の耐震化を進める。また、主食である米の適正な備蓄水準を確保するとともに、平素から家庭における食料品の備蓄を推進する。

(6)国際交渉への戦略的な対応

 経済連携交渉やWTO 交渉に当たっては、食料輸入国である我が国の立場を最大限に反映することを念頭に置きながら、各国の農業が相互に発展できる貿易ルールの確立を目指す。

 環太平洋パートナーシップ(TPP)協定、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、日中韓FTA、日EU・EPA等の経済連携については、我が国の農林水産品がこれらの交渉において慎重に扱うべき事項であることに十分に配慮し、重要品目の再生産が引き続き可能となるよう、交渉を行う。

 WTOドーハ・ラウンド農業交渉については、「多様な農業の共存」という基本理念を保持し、我が国の主張を最大限反映させる取組を継続する。

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[147] 食料・農業・農村基本計画(原案)17/20

投稿者: 管理人 投稿日:2015年 3月20日(金)11時38分54秒 ntkmmt066108.kmmt.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

2.農業の持続的な発展に関する施策

 農業が持続的に発展し、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮という役割を十分に発揮していくためには、生産性と収益性が高く、中長期的かつ継続的な発展性を有する、効率的かつ安定的な農業経営(主たる従事者が他産業従事者と同等の年間労働時間で地域における他産業従事者とそん色ない水準の生涯所得を確保し得る経営(以下同じ。))を育成し、こうした農業経営が、農業生産の相当部分を担う農業構造を確立することが必要である。

 このため、経営感覚を持ち自らの判断でチャレンジしていく農業経営者が活躍できる環境の整備と国産農産物の競争力の強化に向けて、担い手(効率的かつ安定的な農業経営及びこれを目指して経営改善に取り組む農業経営(以下同じ。))の育成・確保、担い手への農地集積・集約化、農業生産基盤の整備、需要に応じた生産・供給体制の改革、農業の生産・流通現場の技術革新等の実現などを総合的に推進する。

(1)力強く持続可能な農業構造の実現に向けた担い手の育成・確保

 ① 法人化、経営の多角化等を通じた経営発展の後押し

 効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するため、認定農業者(効率的かつ安定的な農業経営に向けた経営改善の計画について市町村の認定を受けた農業者)、将来認定農業者になることが見込まれる認定新規就農者(経営発展の目標を持って新たに農業経営を始めるための就農計画について市町村の認定を受けた農業者)、将来法人化して認定農業者になることも見込まれる集落営農に対し、重点的に経営発展に向けた支援を実施する。

 その際、認定農業者等の担い手には家族農業経営、法人経営などがあるが、法人経営には、経営管理の高度化や安定的な雇用の確保、円滑な経営継承、雇用による就農機会の拡大等の面で、効率的かつ安定的な農業経営に向けてメリットが多いことから、農業経営の法人化を推進する。

 ア 担い手への重点的な支援の実施

 認定農業者等の担い手が主体性と創意工夫を発揮して経営発展できるよう、担い手に対する農地の集積・集約化の促進や経営所得安定対策、出資や融資、税制など、経営発展の段階や経営の態様に応じた支援を行う。また、担い手の育成・確保に向けた施策について、構造改革の進展の状況を踏まえつつ、担い手の経営発展に資するよう、分析、検証を行っていく。

 イ 農業経営の法人化等の加速化

 農業経営の法人化を促進するため、大規模な家族農業経営や集落営農等に対して、法人化のメリットや手続、法人経営に必要となる財務・労務管理に関する情報やノウハウ等の普及啓発を行うとともに、税理士等の経営に関する専門家による相談・指導体制の整備などを推進する。また、労働力不足の状況に対応し、農業法人において、幅広い年齢層や他産業からの人材などの活用を図るため、他産業並みの就業環境の整備を推進するとともに、従業員のキャリアパスとして別の法人の経営者として独立する取組等を促進する。

 担い手が少ない地域においては、地域における農業経営の受皿として、集落営農の組織化を推進するとともに、これを法人化に向けての準備・調整期間と位置付け、法人化を推進する。

 ウ 経営の多角化・複合化

 雇用労働力の有効活用や農業機械等の経営資源の有効利用、価格変動や自然災害による経営リスクの分散等を図るため、経営の多角化や複合化を推進する。

 ② 新規就農や人材の育成・確保、経営継承等

 将来に向けて世代間のバランスのとれた農業就業構造を実現するためには、青年層の農業就業者を増加させていくことが喫緊の課題である。このため、農業の内外からの青年層の新規就農を促進する。また、次世代に農地等の資源を着実に継承するための経営継承や、リース方式による企業の農業参入を促進する。

 ア 青年層の新規就農

 就農意欲の喚起と就農後の定着等を図るため、就農の準備や所得の確保、農業法人等が実施する新規就農者に対する実践研修等を支援する。また、無利子資金の貸付け等により、農業機械等の取得に係る初期投資の負担軽減を図る。さらに、ハローワークなどの関係機関や教育機関等と連携した就農情報の提供や就農相談等の取組を充実する。

 このほか、地域の農業大学校、農業高校等の卒業生の就農を促進するため、関係府省や都道府県等の連携の下、先進的な農業経営の学習の充実や就農支援体制の強化等を図る。

 イ 経営感覚を持った人材の育成・確保

 今後の地域農業のリーダーとして、農業界を牽引する優れた経営感覚を備えた農業経営者を育成するため、農業界と産業界が連携した研修教育等を充実する。

 農業経営に必要な財務・経理や生産管理、労務管理、マーケティング等に係る知識・技能の習得等を確認するための手法の活用など、農業就業者のキャリアアップを促す取組や、他産業での経験を有する者と農業法人等の人材ニーズを結び付ける取組など、農業就業者の育成・確保の取組を促進する。

 ウ 次世代の担い手への円滑な経営継承

 今後、担い手の優れた技術や農地等の生産基盤を確実に次世代の担い手に継承していくため、農業法人や大規模な家族農業経営が経営継承の重要性の理解を深め、円滑に経営継承を行うための具体的な計画を策定し、実施する取組を促進する。

 エ 企業の農業参入

 企業の農業参入は、農業界と産業界の連携による地域農業の発展に資するとともに、特に担い手が不足している地域においては農地の受皿として期待されていることから、農地中間管理機構を中心としてリース方式による企業の参入を促進する。

(2)女性農業者が能力を最大現発揮できる環境の整備

 女性農業者は農業就業者の4割を占め、女性が参画している農業経営体ほど販売金額が大きく、経営の多角化に取り組む傾向が強いなど、地域農業の振興や農業経営の発展、6次産業化の展開に重要な役割を担っている。他方、農村社会ではいまだ指導的地位や経営主の多数を男性が占めるような状況にあることから、女性同士のネットワークの強化等の地道な取組を通じて男女ともに意識改革を図りながら、女性農業者が一層活躍できる環境整備を進めることが必要である。

 このため、地域農業に関する方針等に女性農業者等の声を反映させるため、人・農地プラン(地域農業の発展を図る観点から地域における話合いにより作成する、地域農業を担う経営体や農地利用の在り方等を示した計画)を検討する場への女性農業者の参画を義務付けるとともに、女性農業者の農業委員及び農業協同組合の役員等への登用を推進する。

 経営体向けの補助事業について女性農業者等による積極的な活用を図るための取組を推進する。

 地域農業における次世代のリーダーとなり得る女性農業者の育成や、農業で新たなチャレンジを行う女性の経営の発展を促進するための取組を推進する。

 女性農業者の知恵と民間企業の技術、ノウハウ、アイデアなどを結び付け、新たな商品やサービス開発等を行う「農業女子プロジェクト」の活動を拡大する。

(3)農地中間管理機構のフル稼働による担い手への農地集積・集約化と農地の確保

 ① 担い手への農地集積・集約化の加速化

 ア 人・農地プランの活用

 各地域の人と農地の問題(担い手への農地利用の集積・集約化と荒廃農地等の発生防止・解消)を解決していくため、人・農地プランの作成と定期的な見直しを推進する。その際、認定農業者、新規就農者や企業等の新規参入者も含め、地域内外の幅広い関係者が参画した徹底的な話合いを進め、担い手を同プランに位置付けていくとともに、農地利用状況の電子地図システムを話合いのベースとして全面的に活用する。

 人・農地プランに即して担い手が行う経営規模の拡大等の取組を融資等を通じて促進する。

 イ 農地中間管理機構のフル稼働

 農地の公的な中間的受皿として各都道府県に整備された農地中間管理機構をフルに稼働させ、地域内に分散・錯綜する農地を借り受け、担い手がまとまりのある形で農地を利用できるよう配慮して貸し付けることで、担い手への集積・集約化を推進する。

 具体的には、地域の状況に応じ、「各地域の人・農地プランとの連動した取組」、「新規参入企業など公募に応募した受け手のニーズに対応した取組」、「農業法人等が分散した農地を交換により集約化するための取組」、「基盤整備事業と連携した取組」という4つのアプローチを推進し、農地中間管理機構のフル稼働につなげていく。

 その際、都道府県ごとの状況を毎年公表するなどにより、各都道府県での取組を促進する。

 ② 荒廃農地の発生防止・解消等

 農業者等が行う、荒廃農地(市町村及び農業委員会の現地調査において、現に耕作に供されておらず、耕作の放棄により荒廃し、通常の農作業では作物の栽培が客観的に不可能となっている農地)を再生利用する取組を推進するとともに、農地法に基づく農業委員会による利用意向調査、指導等の一連の手続を活用して再生利用可能な荒廃農地の農地中間管理機構への利用権設定を進めることにより、荒廃農地の発生防止と解消に努める。

 有効かつ持続的に荒廃農地対策を進めるため、暗きょ排水等による農地の条件整備、放牧の活用等関連施策との連携の在り方について総合的に検討し、必要な施策を実施する。

 ③ 農地転用許可制度等の適切な運用

 国と地方の適切な役割分担の下、農用地区域内農地の総量確保の仕組みの充実を図るとともに、農地転用に係る事務・権限の地方への移譲等を行い、併せて農業振興地域制度及び農地転用許可制度の適切な運用を図ることにより、優良農地の確保と有効利用の取組を推進する。

(4)担い手に対する経営所得安定対策の推進、収入保険制度等の検討

 ① 担い手を対象とした経営所得安定対策の着実な推進

 担い手の農業経営の安定を図り、我が国農業の更なる構造改革を進める観点から、「畑作物の直接支払交付金」及び「米・畑作物の収入減少影響緩和対策」について、平成27年産から認定農業者、認定新規就農者、集落営農を対象として、規模要件を課さずに実施する。

 ア 畑作物の直接支払交付金

 諸外国との生産条件の格差から生じる不利がある畑作物を生産する農業者に対して、標準的な生産費と標準的な販売価格の差に相当する額を直接交付する「畑作物の直接支払交付金」の措置を「農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律」(平成18年法律第88号)(以下「担い手経営安定法」という。)に基づき安定的に実施する。

 イ 米・畑作物の収入減少影響緩和対策

 国民に対する熱量の供給を図る上で特に重要なもの等で、収入の減少が農業経営に及ぼす影響を緩和する必要がある農産物を生産する農業者に対して、農業者拠出に基づくセーフティネットとして、「米・畑作物の収入減少影響緩和対策」の措置を担い手経営安定法に基づき安定的に実施する。

 ウ 米の直接支払交付金

 米の直接支払交付金について、平成29年産米までの時限措置として実施する。

 ② 経営の新たなセーフティネットとしての収入保険制度等の検討

 「農業災害補償法」(昭和22年法律第185号)に基づく現行の農業災害補償制度は、価格低下等は対象外であり、対象品目は収量を確認できるものに限定されているなど、農業経営の安定のためのセーフティネットとして課題を有している。

 このため、農業経営全体の収入に着目した収入保険の導入について、制度の仕組みの検証等を行う事業化調査を実施するなど、制度の法制化に向け、検討を進める。

 その際、既存の制度と重複がないよう、在り方を含めて関係を整理する。また、収入保険の検討と併せて、農業災害補償制度の在り方を検討する。

 このほか、自然災害等の影響を受けた農業者について、経営の維持・安定を図るために必要な資金の調達の支援を行う。

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[146] 食料・農業・農村基本計画(原案)18/20

投稿者: 管理人 投稿日:2015年 3月20日(金)11時37分34秒 ntkmmt066108.kmmt.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp  通報   返信・引用   編集済

(5)構造改革の加速化や国土強靱化に資する農業生産基盤整備

 農地・農業用水は、農業生産に欠くことのできない基礎的な資源であり、農業就業者の減少や高齢化等が進行する中で、良好な営農条件を備えた農地・農業用水の確保と有効利用を通じて、国内農業の生産性の向上と食料自給率・食料自給力の維持向上を図る。

 このため、環境との調和に配慮しつつ、事業の重点化、コスト縮減、費用対効果分析等による事業評価を通じた事業の効率的な実施を旨とし、地域の特性に応じた農業生産基盤の整備を推進する。また、構造改革の加速化や国土強靱化に向けた事業の計画的かつ効果的な実施に資するため、新たな土地改良長期計画を策定する。

 ① 力強い農業を支える農業生産基盤整備

 担い手への農地集積・集約化や生産コストの削減を確実に進めるとともに、地域の営農戦略に即した収益性の高い農業経営を実現するため、農地中間管理機構との連携を図りつつ、農地の大区画化、汎用化や畑地かんがい施設の整備を推進する。その際、ほ場の均平度、末端用水施設の整備状況、排水性等の農地整備状況について、地理情報システムを活用した情報の可視化、関係者間の共有を図る。

 農業構造や営農形態の変化に対応した水管理の省力化や水利用の高度化を図るため、ICTや地下水位制御システム等の新たな技術の導入やパイプライン化等による新たな農業水利システムの構築を推進する。

 ② 老朽化等に対応した農業水利施設の持続的な保全管理

 農業水利施設の老朽化が進行する中、将来にわたって施設機能の安定的な発揮を図るため、点検、機能診断及び監視を通じた適切なリスク管理の下での計画的かつ効率的な補修、更新等により、施設の徹底した長寿命化とライフサイクルコストの低減を図る戦略的な保全管理を推進する。その際、経年的な劣化等を原因とする農業水利施設の突発事故等不測の事態への対策を強化する。

 基幹から末端に至る一連の施設の保全管理の充実、強化に向けて、多面的機能支払制度等の活用や、地理情報システムを活用した点検、機能診断結果等の情報の蓄積、可視化、共有を通じ、関係者による一体的な保全管理体制の構築を推進する。

 ③ 農村地域の強靱化に向けた防災・減災対策

 都市化や農業者と農業者以外の住民の混住化が進行する農村地域において、集中豪雨の増加や大規模地震の発生等、災害リスクの高まりに対応し、安定的な農業経営や安全・安心な暮らしを実現するため、「国土強靱化基本計画」(平成26年6月閣議決定)等を踏まえ、農業水利施設等の耐震化、洪水被害防止等の対策と、ため池管理体制の構築等による地域防災力の強化のハード・ソフト対策を適切に組み合わせて推進する。その際、地域の実情やリスク評価に応じた施策の重点化や優先順位付けを行いつつ、既存施設の有効活用や地域コミュニティ機能の発揮等により効率的に対策を推進する。

 ④ 農業・農村の構造の変化等を踏まえた土地改良制度の検証・検討

 大規模経営体と小規模農家への二極分化、土地持ち非農家の増加等の農業・農村の構造の変化に伴い、農地や農業水利施設の管理、土地改良区の組織運営、土地改良事業の実施に際しての関係者の意識やニーズ等に影響が生ずることが想定される。このため、農業・農村の構造の変化を見極めつつ、土地改良事業や土地改良区の現状、ニーズ等について把握、分析した上で、新たな土地改良長期計画の検討等と併せ、土地改良制度の在り方について検証、検討を行う。

(6)需要構造等の変化に対応した生産・供給体制の改革

 高齢化や世帯構成の変化、ライフスタイルの多様化等が進む中で、加工・業務用需要の増加など需要構造等の大きな変化に対応するとともに、輸出拡大も見据えた生産・供給体制の整備を推進する。

 ① 米政策改革の着実な推進、飼料用米等の戦略作物の生産拡大

 高齢化、人口減少等による米の消費の減少が今後とも見込まれる中で、米政策改革の着実な推進により需要に応じた生産を推進するとともに、優れた生産装置である水田をフルに活用し、食料自給率・食料自給力の維持向上を図るため、飼料用米等の戦略作物の生産拡大を推進する。

 ア 米政策改革の着実な推進

 需要に応じた生産を推進するため、水田活用の直接支払交付金による支援、中食・外食等のニーズに応じた生産と播種前契約、複数年契約等による安定取引の一層の推進、県産別、品種別等のきめ細かい需給・価格情報、販売進捗・在庫情報の提供等の環境整備を推進する。

 こうした中で、定着状況をみながら、平成30年産からを目途に、行政による生産数量目標の配分に頼らずとも、国が策定する需給見通し等を踏まえつつ、生産者や集荷業者・団体が中心となって円滑に需要に応じた生産が行える状況になるよう、行政、生産者団体、現場が一体となって取り組む。

 また、それまでの間、行政による生産数量目標の配分の工夫等の必要な関連する施策全般について、工程を明らかにしながら取り組む。

 イ 飼料用米等の戦略作物の生産拡大

 飼料用米、米粉用米、麦、大豆等の戦略作物については、水田活用の直接支払交付金による支援と下記の取組により、生産性を向上させ本作化を推進する。品目ごとの生産努力目標の確実な達成に向けて、不断に点検しながら、生産拡大を図る。また、その他の作物も併せその需給動向について必要に応じて情報提供する。

 飼料用米については、全国、地方ブロック、各県(産地)段階に整備した関係機関からなる推進体制を活用し、米産地と畜産現場の結び付け等の各種課題の解決に向けた取組を推進する。また、地域に応じた栽培体系を確立するため、多収性専用品種の開発と導入や新たな栽培技術の実証を推進する。さらに、生産・流通コストの削減と安定的な供給・利用体制の構築を図るため、担い手への農地集積・集約化を加速化しつつ、既存施設の機能強化や再編整備、新たな施設、機械の導入等を推進するとともに、紙袋からフレキシブルコンテナや純バラ(トラックの荷台等に米をバラで直積み)での流通への転換、シャトル輸送(帰り便の活用)、配合飼料工場を通じた供給体制の整備、畜産農家における利用体制の整備等を推進する。

 米粉用米については、多様な用途に対応した加工技術の改良、開発及びその普及による加工コストの低減、新たな米粉製品の開発等の取組を推進する。

 麦、大豆については、実需者ニーズに対応した生産・供給を推進するため、地域条件に適応する生育特性や加工適性、多収性を備えた新品種の開発と導入に取り組むとともに、ほ場条件を踏まえた排水対策や地力維持に資する輪作体系等の栽培技術の開発と導入を推進する。

 ② 畜産クラスター構築等による畜産の競争力強化

 畜産について、高齢化等による離農や後継者不足等を背景に農家戸数や飼養頭数が減少していることから、畜産農家を始めとして、地域に存在するコントラクター等の外部支援組織や関連産業等の関係者が有機的に連携、結集し、地域全体で畜産の収益性を向上させる取組(畜産クラスター)の推進等により競争力を高め、生産基盤の強化を図る。

 その際、新規就農者等の確保や経営資源の円滑な継承を促進するとともに、搾乳ロボット等の省力化機械の導入・活用、外部支援組織の活用を通じた労働負担の軽減を推進する。

 性判別受精卵・精液を活用した優良な乳用後継牛の確保や、和牛受精卵を活用した和牛の生産拡大、ICT の導入、活用等による飼養管理の高度化、多様な消費者ニーズに的確に対応した生産等を推進する。

 生産性の高い草地への改良、水田を活用した飼料作物やエコフィード(食品残さ等利用飼料)等の生産・利用の拡大、荒廃農地等における放牧の活用等により、国産飼料の利用を推進する。

 畜産経営の安定を図る観点から、経営安定対策を実施する。

 ③ 園芸作物、有機農産物、薬用作物等の供給力の強化

 野菜について、価格低落時における生産者補給金の交付等を通じて生産者の経営安定と野菜の安定供給を図る。また、加工・業務用ニーズに対応した生産を推進するため、専用品種の開発と導入に取り組むとともに、収穫機の開発と導入などの機械化一貫体系の確立、土壌改良等の作柄安定技術の導入を推進する。さらに、流通の効率化を図るため、物流業界とも連携し、集出荷体制の再編・集約化や輸送手段の転換(モーダルシフト)等新たな輸送システムを構築する取組を推進する。

 果樹について、加工用や海外向け等の需要に対応した生産・加工・流通の構造改革を進める。このため、産地の戦略に基づく優良品目、優良品種の導入の加速化、カットフルーツ向け等の加工原料の安定的な生産供給体制の構築、園地集積等による低コスト生産、流通状況に応じた円滑な需給調整対策等を推進する。

 花きについて、「花きの振興に関する法律」(平成26年法律第102号)に基づき、国内外の実需ニーズを踏まえ、好まれる色や形質を持つ品種、日持ち性に優れた品種、低コスト生産が可能な栽培技術等の開発を推進する。また、種苗供給施設等の共同利用施設、周年生産が可能となる耐候性ハウス、保冷コンテナや保冷車等を活用したコールドチェーンなど、輸出も見据えた生産流通体制の整備を推進する。さらに、オリンピック・パラリンピック東京大会や国際的な博覧会において、日本の花きの優れた品質をPR し、国産シェアの回復と輸出拡大を図る。

 有機農産物について、地域の気象、土壌条件等に適合した技術体系の確立、普及や実需者と生産者とのマッチング、有機JAS 認証の取得を推進するとともに、輸出促進に向けた諸外国との有機同等性の取得等により、生産拡大を推進する。

 薬用作物について、実需者(漢方薬メーカー等)と産地との情報交換会を開催し、契約栽培の取組を推進するとともに、「日本薬局方」(「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和35年法律第145号)に基づき定められる医薬品の規格基準書)に定める品質規格を満たすための栽培技術の確立等を推進する。

 茶、甘味資源作物等の地域特産物について、地域経済におけるその重要性を踏まえ、実需者ニーズに対応した生産や生産性の向上に向けた取組を推進する。このうち、茶については、輸出拡大や高付加価値化に向け、輸出向け商品の加工技術や機能性成分等の特色を持つ品種の導入等を推進し、甘味資源作物については、価格調整制度による国内生産の安定を図る。

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